自分の家には強い思い入れがあります。また、その家のいいところや使いやすいところも熟知しています。さらに、買った時より高く売りたいという心理も重なって、評価は相場よりもどうしても高くなってしまいます。買う時にこだわりだった、豪華なキッチンや内装などは、売る時には評価の対象になりません。
自分の家だけが近隣の相場より高く売れる理由はないのです。客観的に、第三者の観点から自宅を評価してみましょう。
売りたい時期によっても価格は変わってきます。早く売りたいのであれば相場より価格を下げる必要がありますし、いつでもよいと思っているのであれば、少々高い価格を設定して待つことができます。一般的に、売りに出した場合、最初の2週間程度がポイントになります。ネット等を通じた問い合わせが多いのであれば、その価格は安いということになります。3件程度来ていれば適正レベルです。また、売却相手によっても価格は変わります。一般の方に売るのであれば多少高くても気に入たポイントがあれば購入してくれる可能性がありますが、不動産業者や建築業者であれば、買取後リフォーム等して売りに出す必要があるので、買取価格は相場よりも安いものとなります。
中古住宅の資産価値をはかる資料として家の修繕記録を集約した
「修繕履歴書」が注目されています。
マンションなどでは、修繕記録は管理組合が保管しています。
しかし、一戸建てでは修繕の記録を遺している例は少ないのです。
あまり人が使っていないものだからこそ、売る時にはそれが差別化につながります。
購入希望者に対して、売り手がこれほど家に愛着を持って、
「大切に使っていたのだ」ということを伝えることができるツールだと思います。
購入した家の平面図や電気配線図などは大切に保管していますか?
次のオーナーに渡すため、それらの書類は探しだしておきましょう。
説明書のついていない電化製品を買いたいと思いますか?
中古家電では説明書がつかないだけでかなり価格が下がるのが常識です。
図面や取扱説明書の保管だけでなく、
住宅メーカーが行った定期点検のチェックシートなども用意しましょう。
そして、マンションのように修繕履歴を残すことによって、
家の状態と歴史がひと目でわかるようにしておくと良いでしょう。
そうしたひと手間で、資産価値がアップする可能性があるものなのです。
時間がない中で行われる内見は、第一印象が結構大きな意味をもちます。家は「見た目」だけではないでしょうが、売却となれば、機能より見た目が重視される部分は大きいのです。
清潔感と空間のゆったり感を重視して、「ショールーム」のような住空間が作れるかどうかがポイントになってくるでしょう。そこで「事前整理」の提案です。
どうせ引っ越しをするのですから、先に片付けをしてしまいましょうということです。
場所をとるものを片付けてしまうことで収納がすっきりします。
使っていないものや、今後も使う予定のないものはいい機会ですから、
棄ててしまうと良いでしょう。
また、大物は一時的にトランクルームや実家に預けるなどすれば良いでしょう。
家の中で見せない部分を作らないことも重要です。
引っ越しの前哨戦のようなつもりでやれば、引っ越し本番がとても楽になりますし、
それで印象があがれば二重の悦びです。